ヌーノ・別天地構想

君が泣くまで考えるのをやめない。つもり

MENU

スポンサーリンク

ビューティフル・マインド

ビューティフル・マインド観ました。

 

2001年公開。

 

1947年、プリンストン大学の博士?課程へと訪れたジョン・ナッシュ。そこで、チャールズと同室になり親友となる。その後、様々な苦労を経て、均衡理論の論文を書き上げ、希望の研究所への推薦をもらうことになり、1953年、ウィーラー国防研究所で働くことになるが、次第に国家を防衛するために、暗号パターンを解読するスパイのような仕事を任されていく。

 

その後、研究所で出会った、アリシアと結婚する。二人とも変わった性格だからこそ、惹かれ合うのかな。ナッシュは社会性がないと自覚していて、それでもストレートに想いをぶつけていく様が、勇ましかった。好きな形や動物の名前を言わせて、星空にその星座を指で示していくのが、ロマンチックだった。機会があれば是非やってみたいところ。プロポーズのやりとりもお洒落。宇宙の大きさが無限なのは証明できない。けど、それを信じている。それならば、愛も同じことでしょ。

 

そして、ナッシュの統合失調症が発覚する。国のために、暗号を解く仕事はすべてナッシュの幻覚だった。大学のときに同室で会った、チャールズも。その仕事がバレ始めて、自分が狙われているのではないかという妄想。現実と幻覚がわからなくなっている、ナッシュが可哀そうだった。

 

統合失調症の怖いところは、本当に現実のことであったとしても、それすらも信じられなくなってしまうことだ。アリシアはナッシュと生活を共にすることを決意する。アリシアが頭ではなくて、心で現実を見分ける術を教えてくれた。アリシアがいなければ、ナッシュはダメになっていただろう。

 

統合失調症になったのも、ナッシュが誰かに認めてもらいたい、という心情の表れなのかもしれない。それに、研究に詰め込みすぎたストレスかもしれない。自らの幻覚で生み出した親友チャールズは、外へいこうぜとか、ビールを飲めよとか、気晴らしになるようなことばかり、薦めてきた。

 

ナッシュはプリンストン大学へ再び通い始め、その後教鞭をとり始める。生徒たちに囲まれ、和気あいあいとした雰囲気で活動し始めた。いまだに、幻覚が見えていたが、それは無視し続けていた。最終的にノーベル賞を受賞したナッシュは、 "ここにいるのは君がいたからだ"と挨拶するのだった。

 

ビューティフル・マインド (字幕版)

ビューティフル・マインド (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

his

his観ました。

 

今泉力哉監督。宮沢氷魚、藤原季節主演。

 

井川迅(宮沢氷魚)はゲイであることを、周囲に知らされることを疎ましく思い、岐阜で自給自足と物々交換をして、慎ましく暮らしていた。そこに突如、高校時代に恋人だった日比野渚が現れる。渚は結婚していて、娘の空を連れていて、離婚調停中であるという。突如、始まってしまった3人の生活に戸惑いながらも、迅はどのように周囲と折り合いをつけていくのか。

 

突如、渚が訪れてきて、最初は迅も何しに来たんだっていう態度をとっていた。だけれでも、最初の夜から、迅は渚に布団を貸してあげて、なんだかんだ優しくしてる。さらに迅は空を喜ばせるために、片手でいっぱい卵を割らされる。このあたりも、今泉監督の日常を映し出す上手さというか、些細なことでもとても大切にしているんだなと思う。

 

迅は物語の中盤で、村の人たちにゲイであることをカミングアウトする。だけれでも、村の人はほとんどそんなことは気にしない様子だった。意外と他人は、自分に対して、関心がないものだ。鈴木慶一の「好きに生きたらええ」という言葉が沁みる。

 

渚がゲイであるかに関らず、子供を産むというのはかなり大きなことなんだと感じた。別れたときに、親権がどちらかの親に渡れば、必ず一方の親は悲しむ。裁判で争っているときは、なおさら、お互いがどれだけ親として相応しくないかが議論されるので、可哀そうだった。

 

子供というのは素直なものだ。考え方に偏見がなくて、クリアだからこそ、本質的なことを見抜いている。空の発言を聞いて、渚は奥さんと和解することを決意する。空は迅と渚がゲイであることになんら疑問を持っていなかった。人間にとってそれが可能であるならば、自然なことであると思う。

 

 

 

 

 

IT/イット THE END "それが見えたら、終わり。"

IT THE END 観ました。

 

人は記憶にすがる。

27年後の、デリーの街で行方不明事件が発生した。保安官となったマイクは”それ”の復活を悟り、血の誓いを立てたルーザーズクラブを招集する。そして、”それ”と再び戦い始める。

 

始めに思ったのは、ベバリーがひどい目にあった父親と同じような男と結婚していたこと。過去にトラウマを受けたのに、その人と似たような人と結ばれるというのは、映画でよく出てくる気がする。

 

ルーザーズクラブの7人はそれぞれ成長した姿を見せてくれる。コメディアンに、一流企業の社長、脚本家、リスクマネジメント、保安官など。昔の面影を残したまま、自分の性格が活きる職業に付いている。ベンだけは太っていた少年期から、見違えるように痩せ、ハンサムな社長になっていた。この同窓会を観ているだけでも、かなり楽しめるのだが、ITが邪魔をしてくる。

 

話がかなり壮大になっていて、SFな設定が登場している。シャカピアー族の工芸品にそれぞれの思い出の品を入れ、燃やすことで、ITを封じ込めるという。そのために、ルーザーズクラブは少年期のそれぞれの思い出の品を探すため別行動にでる。そして、ルーザーズクラブのそれぞれは自分自身のトラウマと向き合うことになる。

 

ITはホラー映画というよりも、ビックリとかビジュアル的な恐怖の詰め合わせって映画で。6人それぞれが自分の思い入れのあるものを探す。つまり、それぞれがそれぞれの恐怖を掘り起こす。特にビックリしたのは、ベバリーの実家の老婆の変身した衝撃的ビジュアル。老婆がハッスルして、本気でビジュアルが怖いけどなんか笑える。6回もビックリさせられると知って、身を小さくして観てた。

 

一番嫌なグロビジュアルは、中華料理店のシーンで、赤ちゃんの顔のついた蜂の胸と腹みたいなやつ。あれが一番、生理的に受け付けなかった。

 

 

シャカピアー族の儀式をするも、ITを封じ込めることはできなかった。そして蜘蛛の姿に巨大化したITと対決することになる。ITは自分自身の恐怖そのものだから、怖くないと思い込むことで初めて闘うことができる。ITに対して、お前は弱いとか怖くないとか言い続けることで、ITをどんどん小さくさせ、最後に葬るのであった。この辺りは正直、よくわからなかった。それでも、やはりルーザーズクラブの存在があったからITに立ち向かうことができたのだ。

 

 

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(字幕版)