ヌーノ・別天地構想

君が泣くまで考えるのをやめない。つもり

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his観ました。

 

今泉力哉監督。宮沢氷魚、藤原季節主演。

 

井川迅(宮沢氷魚)はゲイであることを、周囲に知らされることを疎ましく思い、岐阜で自給自足と物々交換をして、慎ましく暮らしていた。そこに突如、高校時代に恋人だった日比野渚が現れる。渚は結婚していて、娘の空を連れていて、離婚調停中であるという。突如、始まってしまった3人の生活に戸惑いながらも、迅はどのように周囲と折り合いをつけていくのか。

 

突如、渚が訪れてきて、最初は迅も何しに来たんだっていう態度をとっていた。だけれでも、最初の夜から、迅は渚に布団を貸してあげて、なんだかんだ優しくしてる。さらに迅は空を喜ばせるために、片手でいっぱい卵を割らされる。このあたりも、今泉監督の日常を映し出す上手さというか、些細なことでもとても大切にしているんだなと思う。

 

迅は物語の中盤で、村の人たちにゲイであることをカミングアウトする。だけれでも、村の人はほとんどそんなことは気にしない様子だった。意外と他人は、自分に対して、関心がないものだ。鈴木慶一の「好きに生きたらええ」という言葉が沁みる。

 

渚がゲイであるかに関らず、子供を産むというのはかなり大きなことなんだと感じた。別れたときに、親権がどちらかの親に渡れば、必ず一方の親は悲しむ。裁判で争っているときは、なおさら、お互いがどれだけ親として相応しくないかが議論されるので、可哀そうだった。

 

子供というのは素直なものだ。考え方に偏見がなくて、クリアだからこそ、本質的なことを見抜いている。空の発言を聞いて、渚は奥さんと和解することを決意する。空は迅と渚がゲイであることになんら疑問を持っていなかった。人間にとってそれが可能であるならば、自然なことであると思う。