統合失調症の母(6)
2017/10/15
恒例になった母親のお見舞いに行った。
この前のお見舞いで、母がモンブランが食べたいと言っていたので、
途中、病院近くのローソンに寄った。
あいにく、モンブランは売っていなかったので、
代わりに、栗ホイップのどら焼きを買っていった。
次こそはモンブランを持っていこう。
いつもの病室へと向かうため、ナースステーションに寄ると、
母の病室は別に移り、他の人と共同の部屋になったらしい。
そちらの病棟に着くと、病室へは入れず、
談話室みたいなところに通された。
母はすたすたと歩いて入ってきた。
一週間前までは、歩くのもやっとみたいな感じだったので、
一週間でかなり回復したようだ。
点滴も終わりになって、いまはおかゆを食べているらしい。
母はおかゆではなく、パンが食べたいんだよね、と言っていた。
いつになく、母は元気だったように思う。
買って行った、どら焼きもほとんど食べていた。
また、僕の着ている服を、良い服着てるねと褒めてくれた。
母はいまだ、お父さんの職場や僕のバイト先が、
どこかよくわからないという。
お父さんの職場が襲われたような夢を見ていたと言っていた。
そのあたりの記憶が曖昧らしい。
それは夢なのだ。
それは客観的な事実ではない。
母はようやく長い夢の中から抜け出そうとしている。
統合失調症の母(5)
17/10/08
母親が統合失調症と診断されてから、ちょうど2か月くらいだ。
日曜になると、父親の運転で高速道路に乗って、
母親のお見舞いに行く。
今日は、バナナと栗を剥いて持って行くことにした。
日曜の病院は診察がないので、
静かで人があまりいない。
精神病棟は固く閉ざされていて、
ナースステーションのインターホンを
押さなければ中には入れない。
2枚の扉を抜けて、病室に向かう。
今日は少し精神病棟は騒がしくて、
看護婦さんを呼ぶ声が大きく廊下に響いている。
1時半にお見舞いにいったのだが、母は寝ていた。
私たちに気づいたのか起き上がった。
前よりも少し症状が、少し悪くなったのだろうか、
最初のうちは、僕と姉のことが誰だかわからないと言っていた。
母は持って行った栗を全部たいらげた。
ちょうど栗が食べたかったんだよねと言っていた。
どうやら、差し入れで持って行った雑誌にケーキの特集が載っていて、
そこで、モンブランのケーキを見たらしい。
今度はモンブランを買っていこう。
なんでもいいから食べたほうがいい。
看護婦さんは母は昼を食べていないと言っていた。
看護婦さんはボソッと
「院内食はおいしくないからかな。」と呟いていた。
統合失調症になってから、母はご飯を食べなくなった。
行動も機敏さが失われ、スローになった。
着替えるのも手伝ってもらってやっとだ。
母親の髪の毛の白髪が目立ってきていた。
髪を染めていられないから、仕方ないのだが。
今年も冬が訪れようとしている。
去年の冬とは、全く違う冬のような気がして、
不安に思う。
統合失調症の母(4)
2017/10/03
母が統合失調症と診断されてから、1か月と3週間くらいになる。
薬の影響で食欲がないらしく、先週末に内科も診てもらえる病院に移った。
転院の際に診てくれた人が院長?らしく頼りになりそうである。
私は今週末は予定が入っていて、会いに行くことができなかったが、
父と姉がお見舞いに行ってきた。
治療が少し進んだみたいで、表情も良くなっていて、
かなりしゃべっていたという。
持って行ったブドウも7,8粒食べたみたいだ。
このまま寛解に向かってくれることを、望むばかりだが、
また一緒に暮らすとなると、いくらかの不安が残る。
統合失調症の人には、昔好きだった趣味や、
好きだったものを思い出させてあげるのがよいと聞く。
母にはこれといった、趣味というものが思い当たらない。
ふと思ったのだが、病気が治ったら、
日記を書くことでも薦めてみようかなと思う。