ヌーノ・別天地構想

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【ネタバレ感想】パラサイト 半地下の家族

パラサイト 半地下の家族観ました。

役名はほとんど忘れてしまいました。ごめんなさい。

 

ボン・ジュノ監督。

 

韓国の半地下に住んでいる極貧の4人家族。世間は警備員の職に、大卒が500人応募するくらいの大不況だという。wi-fiは他人の家のものを勝手に使用し、食うものにも困っていて、ピザの箱を組み立てる内職で暮らしている。あるとき大学生の友達の紹介で、富豪の家で長男が英語の家庭教師の仕事をすることになる。その後、極貧家族は策略を練り、姉は美術の家庭教師、父は運転手、母は家政婦として富豪の家で働き始め、寄生生活を始める。しかし、その生活も次第にほころび始め、ある事件が起きる。

 

 

この映画は、笑いと不安が同時に映し出される点が特異である。最初は、極貧家族が富豪の家に寄生していくのを、面白可笑しく見ていた。練った計画を実行する場面では、ここぞとばかりに高尚で派手な音楽を鳴らしていた。そして、後半になるにつれて、次第に観ている側としても罪悪感を感じ始めた。極めつけは、極貧家族が豪邸でくつろいでいるところに、富豪家族が帰ってきてしまう場面。極貧家族はテーブルの下にすぐに隠れ緊迫した状況になっているのに、富豪夫妻はテーブル前のソファでエッチを始めてしまう。ここでも、2つの家族の状況の差があまりにもはっきりと表れてしまっている。

 

この作品は韓国における、格差をストレートかつ風刺的に描いている。そもそも、富豪の家は少し、坂を上っていった住宅地にある。それに対して、極貧家族は地面に対して半分地下。富豪家族は綺麗な水のボトルを飲んでいるが、極貧家族の家は汚い下水にまみれていく。富豪家族の社長は、極貧家族の匂いがなんとも言えない匂いだという。富豪家族は、自分たちで気づかぬ間に極貧家族との違いを示してしまっている。そして、極貧家族の長男は薄々感づいていた、自分はこの生活がふさわしくないんだと。

 

最後に、長男はお金持ちになって、あの豪邸を買って、父親に階段を上らせると誓う。しかし、皮肉にもあの事件の前に、父の残した言葉は、''無計画だ。計画通りにはいかないから'' だった。

 

 

【ネタバレ感想】カイジ ファイナルゲーム

カイジ ファイナルゲーム観ました。

 

2020年のオリンピック以降、失業率は40%を越え、物価は上昇、沈没していく日本。そんな日本の抱える借金は1500兆、国民の預金の額とおおよそ等しいため、国民の預金を封鎖し、新円を発行することで、弱者を切り捨て日本の再興を図る計画が始動する。この預金封鎖を止めるために、カイジに白羽の矢が立ち東郷という資産家に協力することになった。

 

メインのゲームは最後の審判、人間秤。二人の人間がお互いのすべての資産を出し合って、金塊に変換し秤に乗せ、秤が下に下がったほうが勝ち。そして、このゲームにはFreind、Fixer、Family、Fanのそれぞれ4種類の人間たちがお金を投資していい。つまり、人脈や信用すべてをお金に換えて勝負するというものだ。正直これは、なんでもありのゲームになってしまっている気がした。最終的にカイジは、足りない分の資産を別のギャンブルで手に入れて間に合わせる。ギャンブル・イン・ギャンブル。そして、カイジが助けてきた人たちの手を借り、最終的に金貨一枚の差で勝利する。

 

その後、預金封鎖に関わる金庫のパスワードを賭けて、福士蒼汰とゴールドじゃんけんへ。ゴールドじゃんけんは3回勝負で、必ず1回は金を握ってグーを出さなければならない。このグーを消費してからが勝負。カイジは3回目、金を握らなかったら、グーを出さないだろうという思い込みを逆手にとって勝利した。

 

弱者を切り捨てていくエリートの福士蒼汰。おちゃめなラッキーガール関水渚がとにかく可愛かった。そして、大迫力大声量の悪役、吉田鋼太郎。まさに、カイジらしさが出る配役だと思う。

 

今回も、弱ったところで助言をして、カイジの取り分を横取りしていく天海祐希が良い味を出していた。

 

全体的にゲーム4つは詰め込みすぎな感じがした。そして、説明的なセリフが多いことと、名言を無理やり言わせている風になってしまっているのが、少し残念だ。

 

ただ、映画を通じてテーマが一貫していて、切り捨てられた弱者が、自分でベットするものを決めて、ジャイアントキリングを巻き起こす。”日本は圧倒的に俺たちなんだ。”というカイジの言葉が的を得ていた。

 

そして、日本が沈没していく様を描いている点が、現代への風刺が効いていて刺激的だった。

 

 

映画「カイジ ファイナルゲーム」オリジナル・サウンドトラック

映画「カイジ ファイナルゲーム」オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト:菅野祐悟
  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2020/01/08
  • メディア: CD
 

 

【ネタバレ感想】ショーシャンクの空に

ショーシャンクの空に観ました。

 

1995年。ティム・ロビンズ、モーガンフリーマン主演。

 

妻を殺した罪で、ショーシャンク刑務所へと入所してきた元銀行員のアンドリュー・デュフレーン(ティム・ロビンズ)。デュフレーンは調達屋レッド(モーガンフリーマン)と親友になり、刑務所で過ごしていく。デュフレーンの信念のある行動が、次第に刑務所を変えていく。元銀行員のスキルを活かして、所得申告の手伝いをしたり、刑務所内に図書館をつくって、囚人に高卒の認定をとらせたり。しかし、次第に刑務所長の脱税を手伝わされることになる。あるとき、デュフレーンは自分が無罪かもしれないという情報を手にするが、デュフレーンを出所させるわけにいかない所長に口封じされ、デュフレーンの人生の希望が閉ざされていく。

 

僕は、このストーリーがデュフレーンの無罪を勝ち取って、出所する方向に向かっていくのだと思っていた。そしたら、話は思い描いていたものと違う方向へ進んだ。嵐の夜に、突如デュフレーンは脱獄した。デュフレーンはロックピッケルで、毎日、一握り分壁を削っていた。そして、その掘った穴を女優のポスターの裏に隠していた。その穴を掘る行為そのものが、希望そのものであり、デュフレーンを成り立たせていた。そう、物語の導線は最初から張られていたのだ。そして映画を観ているこちらもそれに気がつかなかった。

 

刑務所の外に出たときの、刑務所の呪縛から解き放たれた解放感。デュフレーンを強く打ち付ける雨がとても気持ちよさそうに見えた。誰にも失わないものがある、それは''希望''であるとデュフレーンは教えてくれる。

 

個人的に好きなシーンは、レッドの最後の仮釈放審議だ。仮釈放は何十年も出ていない。レッドは更生しているか、と問われ、更生とはなんのことかわからないと答える。当時の自分に聞かせてやりたい、残ったのはこの老いぼれだけだ、と。レッドの本音がこぼれて、最終的に仮釈放はアセプトされる。終身刑は人を廃人にする。刑務所にいた生活が長すぎて、外で生活すると不安が押し寄せる。最後にレッドが頼りにしたのは、脱獄した親友であるデュフレーンであった。

 

 

 

ショーシャンクの空に(字幕版)

ショーシャンクの空に(字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video