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【ネタバレあり感想】愛のむきだし

今度から、観た映画は1000文字くらいでいいから、とりあえずブログにするって決めた。過去に観た映画も思い出しながらでも感想を書きたいと思う。そしてとりあえず、人に見せることを意識せずにとりあえず書くこと。

 

愛のむきだし。

園子温監督。4時間に及ぶ長編ながら、飽きもしないで、ぶっ続けで見ることができた。自分はかなり興味深い映画だなと思ったが、嫌いな人は嫌いな映画だと思う。

 

果てしなく長い映画なので、あらすじを書くのがめんどくさいので簡単に書く。

この映画はひとことで書いてしまえば、「己のマリア」を探す物語である。主人公ユウは病気で死ぬ直前の母に、マリアを必ず見つけて、私に見せてほしいと言い残される。ユウ(西島)はある奇跡的な出会いで(罰ゲームでユウが女装している最中)、ヨウコ(満島ひかり)に一目ぼれする。しかし、人の家庭を崩壊させることに喜びを感じるコイケの新興宗教ゼロにヨウコと父親共に飲み込まれてしまい、ユウはヨウコを取り戻すために奮闘するという物語だ。

だいぶ省いて書いたのだが、自分でもよくわからない。

 

序盤で主人公ユウが父親に毎日、罪の告白をしろと言われて、罪が特に思い浮かばない。そこで、父親に罪を告白するため、自ら罪を作り始めるという展開が特に面白い。そしてユウは盗撮のプロになって、父親にそれを告白し殴られて喜ぶ。ユウ役の西島くんの笑顔が本当に変態で、狂って見えてくる。西島君の口角を上げる笑い方が、サイコな感じがする。この裏表のある感じが気に入って、キャストしたのだろうか。

 

ヨウコもめちゃくちゃで、カートコバーンと以外の男は最低とか、印象的なフレーズが多数ある。長回しでコリントスの13章「愛がなければ、・・」と叫ぶシーンも印象に残っている。満島ひかりは映画を通して叫び続けていて、体当たり的な演技も多くてまさに怪演だった。凛とした佇まいと睨みつけたときの顔が強烈に印象に残る。

 

最終的にヨウコは宗教団体ゼロから脱出し、今まで自分が何にも気づいていなかったことに気付く。そして逆にユウはすべてを奪われて精神を崩壊してしまう。ヨウコは精神の崩壊したユウに必死に訴え、正気を取り戻させ、ふたりは手をとりあう。

 

それぞれの人間が罪を抱えて生きていて、信じているものが違う。宗教が違えばそれをこっちの世界とかあっちの世界とか呼び合っている。映画を通して、ユウは「愛を恥じることはない」という自らの信念、自分の信じるものを手にした。

 

音楽もユニークで、ゆらゆら帝国の「空洞です」がよく流れていた。宗教団体の0の空洞感、映画全体のふわふわした雰囲気が醸し出されていた。あと、子役のときのの松岡茉優も声ですぐわかった。まさか出演しているとは思わなかった

 

とにかく不思議な映画で、好みも分かれるタイプの映画だが、一見の価値はある。

 

 

愛のむきだし

愛のむきだし

  • 発売日: 2015/09/28
  • メディア: Prime Video