ヌーノ・別天地構想

君が泣くまで考えるのをやめない。つもり

MENU

スポンサーリンク

サピエンス全史 上 下 【まとめ】10分でわかる要約

サピエンス全史の上巻、下巻ともに読みました。自分の重要だと思った部分を本当に簡単にメモにとったので、紹介したいと思います。ユヴァル・ノア・ハラリ著

この本の面白い点は、非常にユーモラスに書かれている点です。ひとつのことを説明するのに、いくつかの例を使って必ず説明してくれます。また、現代における皮肉めいたジョークを織り交ぜて書いてあるので、楽しみながら読むことができます。また、先入観や固定観念や、常識を覆して、新しい視点から物事をみれるようになります

この本における最も重要なメッセージは、この世のあらゆるものは人間の「虚構」を生む能力によって生み出されている、ということだと思います。例えば、伝説や神話、宗教、企業、法制度、国家や国民、人権や平等、自由までもが虚構であるといいます。

まとめをみてからでも構いませんが、まずは自分でじっくり読むことをおすすめします。

 

 

 

第1部 認知革命

第1章 唯一生き延びた人類種

・サピエンスは火を手に入れて、生存競争において有利になった。

・200万年前から1万年前まで人類種は複数存在していた。

・他の人類種がいたなら、現在の世界はどのようになっていたのかはわからない。

 

第2章 虚構が協力を可能にした

・認知革命→言語の発達

・虚構(架空の事象)について語る能力を手に入れた

・プジョー(法人)は虚構であるが、誰もがその存在を信じているからこそ、力を蓄積する。

・部族の精霊、国民、有限責任会社、人権といった実際には存在しない情報を伝える能力を手にした→多数の見知らぬ人どうしの協力、社会的行動の迅速な革新を可能にした。

 

第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし

・部分的に狩猟採集民の生活を想像することはできても、何を信仰し、どのような政治を行ったかを詳細にしることは難しい。

 

第4章 史上最も危険な種

・人類はアメリカ大陸、オーストラリア大陸まで到達し、ホモサピエンスは食物連鎖の頂点に達した。

・最も多くの動植物を絶滅に追い込んだ、市場最も危険な種と言える。

 

第2部 農業革命

第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇

・紀元前1万年ごろに農業革命により農耕部族の社会が現れ始めた。

・便利な狩猟採集を捨て、恒久的な村落に定住したが、豊かになったとは言い難い。むしろ、人類は小麦の世話をしなければならず、小麦の奴隷になったといえる。

・豊かにならないのに、人類が農業をやめられないのは歴史を読むことができないから。

・進化上の成功など、個々の人間にとっては知ったことではない。

・ブタ、ヤギ、牛、ニワトリなどが家畜にされ、進化上の「成功」を果たしたが、それは酷い扱いを受ける個体の苦しみとは乖離している。

 

第6章 神話による社会の拡大

・帝国に法律が生まれた→紀元前1776年 ハンムラビ法典

・ハンムラビ法典、アメリカ独立宣言には客観的な正当性はない

・「平等に造られ」「造物主」「自由」は想像の中にしか存在しない、「幸福」の明確な定義は存在しない。

・想像上の秩序を保つためには、それを信奉する者たちがいなけらばならない。さらに社会のピラミッドの頂点にいる者たちが、信じていなけらば成り立たない。

・想像上の秩序は、物質的現実、生活を支配している秩序にも存在する。→自らの心に従え、など

・想像上の秩序は「共同主観的」である。→個人が死んでも、ネットワーク内には存在する。法律、貨幣、国民、神々、人権など。

 

第7章 書記体系の発明

・複雑な社会が出現し始めると、人間の脳の外で情報を保存できるシステムを開発した→書記

・その後、アラビア数字などの数理的書記体系が生まれた。

 

第8章 想像上のヒエラルキーと差別

・想像上の秩序はヒエラルキーを生んだ。奴隷、貧富の差、カースト、これらは人間の想像力の産物だ。

・ヒエラルキーによって、人間の関係の調整ができるし、お互いの振舞い方がわかりやすい

・顔の好みは差別、偏見、ヒエラルキーの影響を受けている。

・ヒエラルキーは差別を生み、差別が貧困や教育格差を生み、最終的に文化的偏見を生む。そして悪循環する。

・偶然の歴史によってヒエラルキーは永続される。歴史に優遇されたものは、再び優遇されやすい。

歴史を学ぶ意味は、想像力が生み出した虚構、残忍で非常に現実味のある社会構造に変換した出来事や事情、力関係を学ぶこと。

・男らしさ、女らしさを定義する法律や規範、権利、義務の大半は、生物学的な現実ではなく、人間の想像の反映。

 

第3部 人類の統一

第9章 統一へ向かう世界

・世界中の人々の平等と個人の自由は、互いに矛盾する。思考や概念や価値観の不協和音が起こった時、考えを再評価し、批判することを余儀なくされる。

・歴史に方向性があるとすれば、統一に向かっている。

・貨幣の存在がそれを可能にした。

 

第10章 最強の支配者、貨幣

・貨幣はものの転換を可能にした。→筋肉を頭脳へ、土地を忠誠心へ、健康を正義へ

・貨幣は物質的現実ではなく、心理的概念である。

・貨幣は最も普遍的で、最も効率的な相互信頼の制度であり、人類の効果的協力を可能にする。

・貨幣は見ず知らずの人に信頼を築くが、その信頼は貨幣自体に対するものである。

 

第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン

・多数の小さな文化を融合させ、大きな文化にまとめる過程で、帝国は大きな役割を果たした。

・文化の統合は緊張を強いる。

・国家は急速に独立性を失っている。→帝国という名のグローバル化

 

第12章 宗教という超人的秩序

・宗教は超人的な秩序の信奉に基づく、人間の規範と価値観の制度である。

・宗教は脆弱な社会秩序やヒエラルキーに正当性を与える。

・一神教のユダヤ教、キリスト教、イスラム教は二元論の精神も受け継いでいる。

・自由主義、共産主義、資本主義、国民主義、ナチズムという宗教はイデオロギーと呼ばれることを好む。

・人間性を崇拝する人間至上主義はナチスの野望を生んだ

 

第13章 歴史の必然と謎めいた選択

・歴史は枝分かれの道、進みやすい方向はあるが、時に予想外の方向に進む

・歴史の記述は「どのように」は説明できても、「なぜ」を説明することはできない

歴史の研究は視野を広げ、現在が自然や必然ではなく、私たちが想像しているよりもずっと多くの可能性があることを理解するため

 ・文化は一種の精神的感染症あるいは寄生体で、人間は図らずもその宿主になっている→ミーム学という考え方

 

第4部 科学革命

第14章 無知の発見と近代科学の成立

・人類は科学研究に投資することで、自らの能力を高められると信じるようになった

・近代科学は、私たちがすべてを知っているわけではない、という前提に立つ→無知の革命

・科学と産業と軍事のテクノロジーが結びついたのは、産業革命と資本主義が到来してから

・ほとんどの科学的研究は政治的、経済的、宗教的目標の関心から資金を提供してもらえる。→科学研究の優先順位に科学的根拠はない

 

第15章 科学と帝国主義の融合

・ヨーロッパ人は征服の欲望から新しい知識を求め始めた。

・近代ヨーロッパ人において帝国建設は科学的事業と等しかった。

・科学者は帝国主義に実用的な知識やイデオロギー面での正当性、テクノロジー上の道具を与えた

・科学と帝国の繁栄には、資本主義の影響も大きい

 

第16章 拡大するパイという資本主義のマジック

・想像上の財を特別な種類のお金に換えることに同意した→「信用」クレジット

・「信用」が新規事業を生み、経済を活性化させる

・利益は再投資されるべき→アダムスミス→パイ全体を増やす

・資本主義は新しい宗教

・1602年、株式会社、オランダ東インド会社

・資本主義は「信用」を必要とするので、政治と切り離すことができない

・資本主義は利益のみを求めると、奴隷貿易などの "たが" が外れた状況が生まれる

 

第17章 産業の推進力

・産業革命以降、エネルギーの変換が可能になった→熱を運動、石油を電気、エネルギー革命

・家畜も機械され、その感情は汲み取られることはなく、農業も工業化されていった

・資本主義と消費主義の価値体系は、表裏一体である。

・富める者は投資し、そうでない者は消費する。

・資本主義と消費主義は現代の宗教である。

 

第18章 国家と市場経済がもたらした世界平和

・産業革命によって、時間表的な人間の活動が余儀なくされた。

・現代までは、家族やそれに近いコミニティに頼ってきたが、国家と市場は「個人になる」ことを」可能にする

・「国民」も「消費者」も想像上のコミュニティだ。膨大な見知らぬ人々が自分と同じコミュニティに帰属し、みなが同じ過去、利益、未来を共有していると想像させようとしている。

・社会の変化のペースはあまりにも速い、近代社会の定義は難しいが、唯一の特徴はその絶え間ない変化

・国家の台頭により、暴力は減少したが、現代がいかに平和であるかを実感することは難しい→征服を目的とした侵攻はほとんど見られない

・核兵器による大量虐殺の脅威は、平和主義を促進する。近代史は核兵器の存在により、天国へも地獄へも進みうる

 

第19章 文明は人類を幸福にしたのか

・富は一定の水準を超えるまでは、幸福をもたらす。

・病気は短期的には幸福度を下落させるが、病状が悪化しなければ幸福度は元にもどる

・家族やコミュニティの影響も大きい

・一番重要なのは、幸福は客観的な条件ではなく、客観的条件と主観的な期待との相関関係によって決まる

・幸福は生物学者によると、神経やニューロン、セロトニンやドーパミンなどの生化学物質によって成る。→歴史は生化学的特性に何も影響していない

・幸福は人生の意義によって決まる→しかし、人生の意義はいかなるものでも妄想にすぎない

・仏教の幸福→自分の感情と自分自身は別のもので、特定の感情を追い求めても、不幸に囚われるだけ。

・歴史が各人の幸せや苦しみにどのような影響を与えたのかについて、理解する努力を始めるべきだ。

 

第20章 超ホモ・サピエンスの時代へ

・ホモ・サピエンスは自然選択に代わりうる知的設計を可能にし始めている。→サイボーグ工学、生物工学、非有機的生命工学

・これらはサピエンスを何か全く違うものに変容させることになるかもしれない。

・未来のテクノロジーは、感情や欲望も含めて、サピエンスそのものを変える可能性がある。

・未来は未知であり、私たちは何になりたいのか、考えることが重要である。

・私たちが自分の欲望を操作できるようになる日は近い。「私たちは何になりたいのか?」よりも、「私たちは何を望みたいのか?」が真の疑問になってくるであろう。

 

 

 

 

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

 

 

 

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

 

 

 

これだけ簡単に書いてしまうと、伝わるものも伝わらないので、是非自分で読んでみてください