ヌーノ・別天地構想

君が泣くまで考えるのをやめない。つもり

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【ネタバレ感想】 ミスミソウ

ミスミソウ観ました。

 

どうしてこうなったのか。この冬が明けるまで耐えられるか。

 

ミスミソウは、冬のあと雪を割るように一面に咲くという。

 

たえこ率いるいじめグループから虐められていた野崎はるか(山田杏奈)。教師は見てみないふりをする。両親は学校へはもう行かなくていいという。今どき、学校に行かなくていいなんて言える親は珍しい。優しい家族だった。そんな家族も放火され惨殺されてしまう。愛する妹さえも。何もかも失って、どうすればいいのか。復讐に火がついてしまったら、もう止まらない。1人殺してしまったらもう止まらない。

 

この映画の醍醐味はなんといっても、野崎の復讐劇だ。血しぶきが飛び、気が収まるまでめっためたにする。真っ赤なコートを着て、ただ睨みつけて、すべてを壊していく。そしてグロい。目が飛び出し、はらわたが零れ落ちる。雪の上に赤い花が咲いていく。必殺仕事人かのように、鮮やかに奪っていく。監督の嗜好がまるわかりの映画になっている。

 

唯一の救いは、相場(清水尋也)だった。そのはずだった。野崎のことを必ず守ると誓った。唇を血で真っ赤にして誓ったはずだったのに。お前のことだけは信じていたのに。これですべての拠り所を失ったのだ。この映画にまともな人間は存在しない。アル中。DV。子供の将来をすべて決めてしまう親。何もかもを耐えることなんてできない。だから綻ぶ。

 

ミスミソウが咲く前に、散ってもいい。

 

凛とした佇まいの山田杏奈が印象的な映画だ。

 

 

 

ミスミソウ

ミスミソウ

  • 発売日: 2018/08/01
  • メディア: Prime Video